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文化放送『くにまる食堂』に中原俊明代表弁護士が出演/693回テーマ 「共同親権」編 2022年08月09日
弁護士の中原です。
今回は、「共同親権」について話しをしてきました。現在、結婚したカップルの3組に1組は離婚する時代ですが、未成年の子どもがいる場合、「単独親権」といって、現行法では父親と母親のどちらか一方しか親権者になれないことから、どちらが親権者になるかは、けっこう揉めることも多いのです。そこで、最近、これを見直そうという動きが出てきていて、離婚した後も、2人がどちらも親権者ということにしてはどうか、という検討が進められています。このシステムを「共同親権」と呼びます。
検討され始めている理由として、子どもを巡っては、養育費、また別々に暮らす側の親が 面会するための条件などが問題となることが多く、これは「単独親権」が原因だという主張があり、「共同親権」にすれば問題は解決するのではないか、という考え方なのです。 それにより、離婚しても2人とも親権者のままでいられる訳ですから、親権争いは回避できるだろうと言われています。また、親権を手放した側が、後から後悔するケースも多いですが、共同親権が実現すれば、そういうこともなくなります。
他にも、良いことはあって、面会交流がし易くなります。離れて暮らすお子さんと定期的に会うのが面会交流ですが、子どもが会いたいと思っていても、一緒に暮らす親が協力的じゃないと、なかなか会えないのが実情です。しかし、共同親権となれば、一緒に暮らしていなくても親権者なのですから、今までよりも面会交流が認められ易くなると思います。
養育費については、現在、親権者でない親が、支払うことに積極的でないことが多いですが、これは共同親権になってもあまり変わらないと思います。実は親権者を決めるより、面会交流や養育費の取り決めをきちんとしておくことが重要で、家庭裁判所の離婚調停でも面会交流や養育費についての話し合いが主な内容ですが、実際には何も取り決めをせず離婚してしまう夫婦も多く、離婚の際に面会交流の取り決めをするのはおよそ1割だけです。
また、母子家庭に関するデータを見ると、養育費を受け取っているのは、全体のおよそ24%に過ぎないことがわかっています。共同親権が実現すれば、面会交流や養育費の支払いが少しはスムーズになるのでは、と期待されています。
一方でデメリットも考えられていて、それは、DVから逃れるために離婚するケースです。この場合、共同親権を続けてしまうと、せっかく離婚が実現してもDVが続いてしまう可能性が指摘されています。このように、どのケースでも画一的に共同親権を適用するのではなく、DVが理由での離婚など、場合によっては、単独親権を選べるようにする必要があると思います。一人で悩まずに、ぜひホームワンにご相談いただければと思います。
◇日時
毎週火曜 11:31~
◇放送局
文化放送
◇番組名
『くにまる食堂』
◇コーナー名
「日替わりランチ ホームワン法律相談室」
◇693回テーマ
「共同親権」
◇出演
番組パーソナリティ 野村邦丸さん
法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士
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