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50代・60代男性の離婚について財産分与については、夫婦の資産を事前につかんでおくことが重要
この年代の離婚について、問題となるのは、断然財産分与です。夫婦の婚姻期間が長い分、夫婦で形成した財産も多く、何が財産分与の対象となるかについて、把握するだけでも大きな負担となります。
財産分与
この年代は、専業主婦家庭で、妻が家計を管理していることが多く、妻は夫婦の資産を把握しているのに対し、夫は何も把握できていないことがあります。妻が、素直に資産の開示に応じてくれればいいのですが、妻としては、夫が資産を把握していないのであれば、当然、資産の開示には応じません。なので、財産分与については、預貯金、保険の解約返戻金など、夫婦の資産を事前につかんでおくことが重要です。
また、この年代では、親が亡くなっていることが多く、相続や生前贈与によって取得した財産もあるかと思います。このような財産は、財産分与の対象とはなりませんから、妻からこの財産を分与するよう請求されても応じないようにしましょう。
さらに、退職金の財産分与についても注意が必要です。退職金の財産分与についても、様々な問題があり、ただ単に半分ずつ分けるといった話合いを進めてしまうのは、非常に問題です。そもそも、支給されるか不明確な退職金を財産分与の対象にできるかという問題がありますし、退職金の支給額を予測できたとしても、婚姻前や離婚後は、妻が退職金の形成に寄与ないし貢献したとはいえないため、厳密にいえば財産分与の対象にはなりません。財産分与の対象となる退職金は、しっかりと計算する必要があります。
財産分与をする際、まずは、何が財産分与の対象となるのかについて、洗い出しをする必要があります。当事務所では、漏れなく対象財産の洗い出しができるように、ご相談いただいた方に、チェックリストを配布しておりますので、ご活用いただけたらと思います。
男性の場合、ご自身で交渉される方が多くいらっしゃいますが、自分で交渉したがために、本来守ることができたはずの自分の財産を妻に取られてしまうケースは非常に多いです。本来、あなたが獲得できたはずの財産を妻に取られてしまうのは、とてももったいないです。
弁護士に相談することによって、何が財産分与の対象になるか、どのような分与が一番メリットかについて明らかになりますから、一度弁護士に相談することをお勧めします。
年金分割
50、60代の離婚の場合、忘れてはならないのが、年金分割です。年金分割とは、婚姻中に収めた厚生年金保険料を夫婦共同で収めたものとみなし、離婚した場合には、婚姻期間に相当する分の老齢厚生年金を夫婦で分割するという制度です。妻の中には、夫の年金の2分の1をまるまるもらえると勘違いしている方も多くいらっしゃいますが、そのような制度ではありませんので、注意しましょう。
離婚を切り出されたが離婚をしたくない場合
定年後は妻と共に楽しく過ごそうと思っていたのに、妻から、突然離婚を切り出されてしまう・・・といったことは、よくあります。
妻の離婚の申し入れにショックを受け、つい、離婚に応じてしまう、というのは絶対にやめていただきたいです。
あなたに不貞行為やDVなど明らかな有責性がない場合、長年同居し、生活を共にしてきた夫婦が離婚することは、並大抵のことではないからです。
このような場合、妻とやり取りをするのは、精神的にも負担だと思いますし、ひとつ判断を間違えると、離婚に進んでしまうこともあり得るので、ぜひ弁護士に相談していただけたらと思います。