状況別・段階別のご相談

早期に離婚したいが、離婚理由がなくて困っている

離婚の方法としては、大きく分けて、(1)協議離婚、(2)調停離婚、(3)裁判離婚の3つの方法があります。

(1)協議離婚

協議離婚は、夫婦が話し合い、離婚に合意することで成立するものです。離婚理由は問題にならず、夫婦の合意さえあれば離婚ができます。離婚の約87%がこの協議離婚です。

(2)調停離婚

夫婦のどちらかが離婚に同意しない場合、話し合っても離婚の条件について折り合いがつかず、協議離婚ができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。この調停による離婚が、調停離婚です。調停の場で夫婦の合意ができれば、離婚理由がなくても離婚ができます。

なお、家庭裁判所の調停で合意に至らなかった場合でも、裁判所が夫婦にとって離婚が相当であると認めて、調停にかわる審判を下すことがあります。これを審判離婚と言います。ただし、夫婦どちらかが不服を申し立てれば審判は無効となり、離婚は成立しないので、実例としてはほとんどありません。

(3)裁判離婚

協議離婚もできず、調停・審判でも離婚が成立しない場合、離婚したい側が家庭裁判所に離婚訴訟を起こします。裁判所が、原告と被告とを離婚するとの判決を出せば、強制的に離婚が成立します。これが裁判離婚です。

裁判所で離婚が認められるためには、法律が定める5つの離婚事由(ⅰ不貞、ⅱ悪意の遺棄、ⅲ3年以上の生死不明、ⅳ回復の見込みのない強度の精神病、ⅴ婚姻を継続しがたい重大な事由)のうち、少なくとも1つに当てはまる必要があります。ここではじめて離婚理由が問題になります。ですから、協議離婚・調停離婚をする場合には、離婚理由は不要です。

なお、離婚訴訟の途中でも、離婚訴訟を起こされた側が、起こした側の言い分を全面的に認めて離婚を承諾する場合は、請求を認諾したとして訴訟を終わらせ、離婚を成立させることができます。これが認諾離婚などと言います。さらに、裁判の途中で離婚の合意に至った場合は、和解が成立した時点で和解離婚として離婚が成立します。

離婚理由がなくとも相手が離婚に応じてさえくれれば問題ないのですが、そううまく話が進まないこともよくあります。その場合には、最終的には裁判離婚となりますから、離婚事由は必要ですし、そこまでいかなくとも、相手を納得させられるだけの理由を見つける必要があります。

法律で認められた5つの離婚の原因のうち、ⅰ~ⅳに当てはまらなくても、v婚姻を継続しがたい重大な事由という、他と比べると一般的・包括的な事由によって、離婚が認められることがあります。

たとえば、配偶者が暴力をふるう、虐待する、ギャンブルにのめり込んで多額な借金を作る、宗教活動にのめり込む、性交渉拒否等の理由で、夫婦か生活が事実上破たんしている場合です。

ただし、その理由が「重大な事由」にあてはまるかどうかは、ケースバイケースです。お互いが努力、妥協をすれば夫婦生活が修復できる状況と判断されれば、離婚は認められないことになります。以下では、より具体的に「婚姻を継続しがたい重大な事由」について述べたいと思います。

ⅴ「婚姻を継続しがたい重大な事由」というのは、包括的な定めですので、いろいろな内容が含まれてきます。まず、前提として、婚姻破たんに至っていなければ、そもそも離婚請求は棄却されます。婚姻破たんというのは、主観的側面及び客観的側面から判断されます。

主観的側面では、お互いに、婚姻継続の意思が喪失していることです。これは認定が難しいです。客観的側面では、婚姻共同生活を回復する見込みがないことです。これは、別居期間等により、ある程度認定することが可能です。

次に、DVです。DVがⅴ「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるとして離婚請求をしたいというご相談は、離婚のご相談のうち何割かを占めるほど多い事例です。DVがあったかどうかは、客観的に診断書等の有無が問題になります。傷跡の写真があれば、それも証拠となるでしょう。警察に相談している場合などには、相談記録の開示請求をすると、証拠が出てきます。

また、精神的暴力も離婚原因の一つとして位置付けることが可能ですが、これだけで離婚が認められるというのは難しいでしょう。

次に、性格の不一致、あるいは価値観の相違についてです。これだけでは、多くの場合該当しないでしょう。

次に、宗教活動です。誰しも信教の自由があり、お互いの宗教活動には寛容であるべきとされています。しかし、この宗教活動が度を過ぎることによって、民法上の夫婦の協力義務に耐えられないようなことになる、あるいは子の福祉を害するということになれば、該当する可能性が出てきます。

性的不能、性交拒否、性的異常も、該当する可能性があります。夫婦間の性交渉は婚姻生活において大切なこととされているためです。

配偶者との親族の不和は、それだけではただちに該当するわけではありません。ただし、例外的に、こういった不和な状況を他方配偶者が傍観していたということから離婚請求を認容した裁判例があります。

不貞に類する行為は、上記ⅰに該当しない場合に問題になります。たとえば、特定の女性と親しいというケースです。配偶者以外の異性と親密な関係にあったことによって婚姻関係が破たんしたということであれば、ⅴ「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たると主張することが可能になります。

以上からしますと、上記ⅰ~ⅳの事由に該当しない場合でも、ⅴ「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たる可能性はあります。

そして、協議・交渉段階から弁護士に依頼することで、離婚事由が明確には認められないような場合であっても、諸事情をあわせ考えれば「婚姻を継続しがたい重大な事由」がある、などと主張していくことができる場合もあります。また、弁護士を依頼することは、自身の離婚意思が固いことを相手方に示すことにもなりますので、相手方の離婚についての考え方に影響を与えることもできるかもしれません。

さらに、財産分与や慰謝料といった離婚時の条件次第では離婚に応じるという相手方もいますので、弁護士に依頼して、条件面に関する話し合いをすることも考えられます。

それでも相手方が離婚に応じないようであれば、婚姻共同生活を回復する見込みがないことを示すため、別居をしてみるのもお勧めです。

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