- 弁護士による離婚相談TOP
- 離婚するか決めかねている方・離婚をしたい方へ - スピード離婚したい人が抑えるポイント
スピード離婚したい人が抑えるポイント
スピード離婚とは、きっちりとした定義はありませんが、一般的には、結婚してから2年以内程度でする離婚のことをいいます。スピード離婚という言葉自体は、週刊誌などで有名人に対して使われ、特別なことのように扱われることがありますが、一般の方の中でもスピード離婚をする夫婦は一定数います。「成田離婚」などという言葉もありました。
この記事では、スピード離婚が起こる原因やメリット・デメリット、スピード離婚の進め方や慰謝料が発生するかについて紹介します。
スピード離婚が起こる原因・理由
(1)相手をよく知らずに結婚した(交際期間が短かった)
例として、次のようなケースが挙げられます。
- マッチングアプリやSNSで意気投合し、お互いのことを知らないまま、すぐに結婚を決めてしまったケース
- 年齢や家族からのプレッシャーなどの理由により婚期を逃したくないと考え、結婚を決めたケース
- 出会ったばかりの相手との間に子供ができたため結婚を選ばざるを得なかったケース
いずれのケースでも、相手の知らなかった面を結婚後に知ったことで幻滅することが多いようです。また、子供がいる場合は、子供のために我慢して離婚はしないと考えたものの、結局我慢できなくなり離婚に至る、というケースもあります。
(2)理想の結婚生活と異なりすぎていた。
例として、次のようなケースが挙げられます。
- お金の使い道や住居の選び方などいろいろな点についての価値観が異なっていたケース
- 同居してみて初めて気付く相手の癖や仕草がいたたまれない、というケース
- 結婚した途端、相手が家事をしなくなったり暴力を振るうようになったケース
- 結婚したら2人で平穏な生活ができると思っていたのに、相手の両親が頻繁に介入してきて嫌気がさしたケース
また、結婚を決めてから実際に結婚するまでの間は両家顔合わせなどでどたばたしがちですが、その対応などについて相手に不信感を持つ方も多いようです。
(3)相手が結婚前から浮気、不倫をしていた。
このケースでは、離婚について周囲の理解を得られることが多いので、スピード離婚に踏み切る方が多いです。なかには、「相手に浮気癖があるのは知っていたが、結婚したら治まると思っていた」と後悔する方もいます。
また、結婚直後に相手が浮気をするケースも多くあります。
(4)結婚後に相手に借金があることを知った。
結婚する前から相手に借金があることを知っていたケースとは異なり、結婚後に借金があることを知った場合は、「相手に騙された」「裏切られた」と感じる人が多く、夫婦として信用できないと考えて離婚を決意する方もいます。
(5)将来の考え方が異なっていた。(子供の有無や結婚後の仕事等)
夫婦で争いになりがちなのは次のような点です。
- 子供を産むか
- (主に妻が)結婚後も仕事を続けるか
- 互いの両親と同居するか
- 一方の地元に引っ越して生活するか
結婚する前に互いの考えをすり合わせておかなかったために、これらの点で揉めたときに離婚にまで至ってしまうことがあります。
スピード離婚のメリット
メリット(1)新しい生活のために時間を無駄にせずに済む
気の合わない相手との辛い生活を終わらせることで、自分だけの自由な時間を過ごすことができるようになります。結婚期間中にできなかったことをするのもいいでしょうし、良い相手との新たな出会いがあるかもしれません。
メリット(2)離婚時の決め事が少ない事が多い
子供がいたり長年生活を共にしていた夫婦の場合、養育費や財産分与、年金分割など様々な決め事をする必要があります。しかし、子供がいない夫婦がスピード離婚をする場合は、共有財産が少なく婚姻期間も短いため財産分与などで争いになることも少なくなります。そのため、ややこしい取り決めをせずに離婚届だけ提出して無事解決、となることも多いです。
メリット(3)早めに見切りをつけることで精神的な負担が少なくなる
相手に不信感を持っていたり愛情が湧かない状態で長い間結婚生活を続けるのは、精神的に非常に辛いはずです。早めに離婚することでこのような辛さから解放され、精神的な負担が少なくなります。
スピード離婚のデメリット
デメリット(1)一時の感情で判断することで、後悔する
結婚して1~2年の間は慣れない同居生活や相手の両親との接触などで心身ともに疲れることが多いはずです。普段であれば許せるような細かいことも、心身が疲れているときは許せないと思ってしまうかもしれません。スピード離婚をした方の中には、「離婚するほど嫌なことがあったわけではなかったなあ」と後悔する方もいます。
デメリット(2)親族や友人に対して、理解が得にくい
結婚を祝ってくれた親族や友人ほど、スピード離婚に対して驚きや落胆があるかもしれません。結婚や離婚に対する価値観は人それぞれなので、離婚することに猛反対されることもあるようです。ただし、基本的には、そういった周囲の意見に振り回されることなく、冷静になって、ご自身の考えや感情を大事にしてください。
また、今後再婚を考えた際に、再婚相手やその家族からスピード離婚の点を疑問に思われることがあるかもしれません。
デメリット(3)離婚後の生活に向け準備する必要がある
離婚する場合、相手と別居することになるため、新居探しや家電等の購入など支出が大きくなります。幼稚園や学校に通っている子供がいる場合には新しい学校の手続も必要になります。新しい生活をするための準備をするのは大変なことです。
ただしこれは、スピード離婚に限ったものではなく、一般的な離婚に伴う問題です。
スピード離婚の進め方、弁護士ができること
協議離婚で解決する
一番良い解決方法は、夫婦が話し合いで離婚することです。もっとも、話し合いをしても解決できない場合には、別居して相手の気持ちが冷めるのを待つことになります。婚姻期間の短さに比べて別居期間が長い場合には、裁判で離婚が認められやすくなります。
また、話し合いがまとまらない場合には、弁護士を間に入れることによって、「絶対に離婚したい」という強い意思を示すことも有効です。
調停、裁判で解決する
話し合いで離婚できない場合には、調停を申し立てる必要があります。調停では、調停委員に間に入ってもらい夫婦で話し合いを行なうことになります。調停になる場合は自分で手続を行うのは難しいでしょうから、弁護士に相談することをお勧めします。
調停でもまとまらない場合は訴訟することになります。ただし、相手が浮気していたとか相手から暴力を振るわれたといった事情がないケースでは、離婚が認められないことが多いため、別居期間の長さが重要となります。
スピード離婚で慰謝料は発生するか
スピード離婚した場合に必ず慰謝料が発生するわけではありません。
例えば、気が合わないといった理由で離婚する場合には慰謝料は発生しません。もっとも、暴力や浮気があった場合は慰謝料が発生することが多いです。どのような理由で離婚するかによります。
慰謝料の相場は、離婚の原因が浮気の場合は150万円を基準として、悪質な事案では増額を、悪質でない事案では減額をする、とされることが多いです。ただし暴力を受けたケースなどでは300万円以上の慰謝料が発生することもあります。
まとめ
スピード離婚することを検討している方は、周囲の理解を得られにくいなどの理由で誰にも相談できないことが多いです。
弁護士にご相談いただければ、豊富な経験から適切なアドバイスをすることができます。お1人で悩むのではなく、まずは弁護士にご相談いただければと思います。