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子なし夫婦の離婚。メリットやデメリット、3~50代女性のケース
一昔前とは異なり、現在は、結婚しても必ずしも子供を持たない夫婦も増えています。
ここでは、子供がいない夫婦が離婚する際に参考となるよう、いわゆる「子なし離婚」のメリット・デメリットや、実際に離婚する場合にどのようなことをしておくべきかについて紹介します。
子供がいない夫婦が離婚を考える主な理由
(1)パートナー(または自分)が子どもを欲しいと思っていない
子供がいない夫婦が離婚を考える理由として多いのは、夫婦のどちらかが子供を欲しいと思っていないことです。
子供を持つということは自分の人生や夫婦生活にとって大きな影響を与えることです。そのため、このような重要な点で夫婦の考えが異なる場合、お互いに話し合って解決することが難しく、離婚に至るケースがあります。
また、結婚前は「子供は欲しくない」ということでお互い納得していたものの、結婚して数年経った頃に夫婦のどちらかが子供が欲しいと考え始めることもあります。
結婚する前に子供が欲しいかどうかについて十分話し合っていたとしても、結婚後に考えが変わることもあるなど、様々なパターンで子供のことが離婚のきっかけになることが多いようです。
ただし、子供に関する考え方の違いがあるというだけでは離婚原因としては認められません。離婚したい場合には、他の離婚原因があることや別居期間を重ねることが必要になります。
(2)価値観や性格の不一致
結婚してみて初めて相手の金遣いの荒さに気づいたり、結婚した途端に夫が「家事は妻がやるもの」と言い始めるなど、結婚する前には気づかなかった価値観や性格の不一致が離婚のきっかけになることがあります。
もっとも、性格の不一致というのは最も多く見られる離婚のきっかけであるにもかかわらず、性格の不一致があるというだけでは離婚原因として認められないため、離婚したい場合には別居期間を重ねるなど注意が必要です。
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(3)DVや不貞行為、モラハラ
相手にDV(暴力)をふるわれたり、不倫された場合やモラハラを受けている場合には離婚したいと考えることが自然でしょう。
もっとも、DV及び不倫の場合と、モラハラの場合とでは離婚のしやすさが異なります。モラハラの場合はハードルが高く、そもそも相手の言動がモラハラと認められるか、認められたとしてそれが離婚原因と認められる程のものか、という点が問題になります。自分が「モラハラを受けた」と感じていても離婚原因として認められない場合があるので注意が必要です。
子なし離婚のメリット
メリット(1)離婚時に争う項目が少ない
子供がいる夫婦が離婚する際には、財産分与などお金の関係に加えて、親権者、養育費、面会交流など子供に関する項目を決める必要がありますが、子供に関する項目で争いになることは極めて多いといえます。
他方、子なし離婚の場合は、子供に関する項目の点で争いになることはないため、比較的スムーズに離婚が成立する傾向にあります。
メリット(2)再出発しやすい
子供がいる場合、新たにパートナーができ、再婚を考えていても、どうしても再婚相手やその家族などの理解が得られず、再婚が難しい場合があります。また、幼い子供の親権者となったことで子供のお世話をしなければならず、正社員としては働けずパートとして働くしかないというケースもあります。
これに比べて、子供がいない場合は、離婚後に再婚や再就職などをすることが比較的容易であり、再出発しやすいといえます。
メリット(3)元配偶者との関係を切ることができる
子供がいる場合、離婚した後も相手から養育費を払ってもらったり、相手との面会交流に応じなければならなかったりと、元配偶者との関係を完全に断ち切ることは困難です。また、子供が進学したり病気になったために特別の費用が必要になった場合には、その費用をどのように負担するかについて元配偶者とその都度協議する必要も生じます。
これに対し、子なし離婚の場合は、離婚時の取り決めの内容にもよりますが、多くの場合は元配偶者と完全に関係を切ることができます。これにより、元配偶者との関係が続くことで抱えるストレスから開放されます。
子なし離婚のデメリット
デメリット(1)経済的に自立しなければいけない
離婚後は、自ら収入を得て生活していかなくてはなりません。そのため、結婚期間中に専業主婦(夫)だった方は、就職活動をする必要がありますが、希望する勤務先に就職することは容易ではありません。
また、共働きだった夫婦であっても、離婚後は相手の収入がなくなるので生活水準が下がり、これまでどおりの生活ができない可能性もあります。
ただしこれは、子なし離婚に特有なものというより、一般的な離婚に伴うデメリットです。
デメリット(2)離婚後の手続きが煩雑
結婚により姓を変更した方は、離婚後に旧姓に戻す場合には、銀行口座やクレジットカードなどの名義変更が必要になります。
また、離婚により住所を移転する場合には、14日以内に住民票の異動届を出さなければなりません。さらに、社会保険などの関係から、離婚したことを職場へ報告する必要がある方も多いでしょう。
ただしこれも、子なし離婚に特有なものというより、一般的な離婚に伴うデメリットです。
子供がいない夫婦が離婚を決意したときに確認すること
(1)離婚後の住居や仕事などの収入源を確保しておく
離婚後にしばらく実家に頼ることができるという方は、実家に引っ越した後でじっくり就職活動をすることもできるかもしれません。
これに対し、離婚後に住む場所がないという方は、新居を探しつつ、新居の家賃を支払っても生活していけるだけの収入が得られる仕事を探す必要があります。就職活動がスムーズにいくとは限らないため、別居前の段階からスタートしておくとよいでしょう。
ただしこれも、子なし離婚に限ったものではなく、一般的な離婚に伴う問題です。
(2)夫婦の共有財産を確認しておく
離婚する際に財産分与について協議することが多いですが、別居した場合、相手にとって財産を隠すことは容易になります。
そのため、まだ同居している間に、相手名義の預貯金口座、生命保険の解約返戻金、不動産、株式などの財産の有無や金額を把握しておくことが重要です。
ただしこれも、子なし離婚に限ったものではなく、一般的な離婚に伴う問題です。
30代、40代、50代 子なし女性の離婚について
30歳〜50歳代の年齢の方の中には、配偶者と離婚したいと考えながらも、離婚後に就職ができるか、再婚できなかったら一生一人で生きていくのか、などの年齢を理由とした不安を感じ、離婚に踏み切れない方もいるかもしれません。
しかし同年代で離婚を実現した依頼者の方の中には、無事に就職をして問題なく生活ができており、また、理解のある相手と再婚した方もいます。離婚するか決まっていない段階であっても、離婚したいと考えているのであれば、弁護士に相談されることをお勧めします。
ただしこれも、子なし離婚に限ったものではなく、一般的な離婚に伴う問題です。
まとめ
当事務所には多くの離婚案件に携わってきた弁護士が在籍しています。自分一人で悩むより、このような経験豊富な弁護士に相談することで、より良い判断をすることができる可能性があります。
早い段階で弁護士に相談することによってこの可能性が上がることが多いので、子なし離婚を検討されている方は、まずは当事務所にご相談ください。
子なし夫婦の離婚。メリットやデメリット、3~50代女性のケース まとめ
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子なし夫婦が離婚する場合のメリットにはどんなものがありますか?離婚時に争うことが少ないこと、再婚や再就職など再出発しやすいこと、元配偶者との関係を切ることができることが考えられます。
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子なし夫婦が離婚する場合のデメリットにはどんなものがありますか?経済的に自立しなければいけないこと、離婚後の手続きが煩雑であることが考えられます。
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子なし夫婦が離婚するときに確認しておくべきことは何ですか?離婚後の住居や仕事などの収入源を確保しておくこと、夫婦の共有財産を確認しておくことがあります。