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文化放送『くにまる食堂』に宮本尚紀弁護士が出演/685回テーマ 「財産分与における保全」編 2022年06月14日
弁護士の宮本です。
今回は離婚関連の中から、「財産分与における保全」についてお話ししてきました。
最近、都内の不動産価格が上昇傾向にあり、不動産を所有している夫婦が離婚する場合、財産分与で揉めるケースが多くなってきています。特に不動産が夫婦どちらかの単独名義だと、その名義人が勝手に売却してしまうことが時々あります。
不動産が現金化されてしまうと、そのお金を使われてしまったり、あるいは簡単に見つからないところに移されてしまうリスクが飛躍的に上がってしまうのです。そのような危険がある場合、勝手に売られないように財産を保全することができるのです。
具体的には、家庭裁判所で「仮差押え」「仮処分」など「人事保全の申立て」という手続きを行うことになります。裁判は時間がかかるのが普通なので、その間に売られるのを防ぐため、判決が出る前に、相手が財産を処分することを禁止させる手続きが「仮差押え」です。
判決が出た後、財産分与してもらえるよう自宅などを「仮差押え」しておけば、判決が出た後に自宅を売って、その代金を得ることができるのです。仮差押えすると、自宅の不動産登記に「仮差押え」されていることが明記されます。もしその間に売られてしまっても、その買い手に対しても差押えの効力を主張できるのです。
ただ早い段階で「仮差押え」をかけてしまって、万一、離婚が認められなかった場合、必要ないのに仮差押えしてしまうことになるため、申立て時点でその離婚は認められる見込みはあるのか、といったこともチェックされることになります。また仮差押えすると、相手に損害を与える可能性があるので、あとでその損害賠償金をまかなえるような担保金を、最初に積むことも求められます。
様々なご事情から、手元に現金はないが、どうしても仮差押えなど「人事保全の申立て」をしたい場合、金融機関などに保証料を払って、担保金相当額を保証してもらう方法などもあります。不動産が共有名義となっている場合、絶対に安心というわけではないですが、夫または妻の共有部分だけ売ってしまうということは、買う人も、他人との共有となってしまうので、実際に売るのは難しいので、リスクはかなり低いと思います。
人事保全の申立ては、自分でやるにはハードルが高いですし、財産分与では一つ一つ細かいことで争いになります。そのため、いろんなリスクを考え、 あらかじめ準備できることはしておき、話し合いを円滑に進められるようにするためにも、早めに弁護士にご相談いただくのが良いと思います。
◇日時
毎週火曜 11:31~
◇放送局
文化放送
◇番組名
『くにまる食堂』
◇コーナー名
「日替わりランチ ホームワン法律相談室」
◇685回テーマ
「財産分与における保全」
◇出演
番組パーソナリティ 野村邦丸さん
法律事務所ホームワン 宮本尚紀弁護士
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