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文化放送『くにまる食堂』に中原俊明代表弁護士が出演/680回テーマ 「モラハラ夫(妻)と離婚するには」編 2022年05月10日
弁護士の中原です。
今回の『くにまる食堂・日替わりランチ ホームワン法律相談室』では、「モラハラで離婚はできるか」というテーマでお話してきました。まず、「モラハラ」とは、モラル・ハラスメントの略で、一般的に、「言葉や態度などにより、相手の人格や尊厳を、繰り返してしつこく傷つけ、その恐怖や苦痛で相手を支配し、思い通りに操る暴力」と定義されています。同じような言葉で、「パワハラ」がありますが、パワハラは主に職場の力関係でもたらされるものですが、モラハラは職場だけでなく、親と子や先生と生徒など、日常生活の様々な場面でおきます。そして最近、多くのご相談を受けるのが、夫婦間のモラハラです。夫、あるいは妻からのハラスメントがあまりにも酷いため離婚したい、という深刻なお悩みを持たれる方が多いです。
実際にモラハラが原因で離婚することは可能かというと、モラハラは、精神的暴力なので「婚姻を継続し難い重大な事由」として、民法770条1項5号が定める離婚理由に該当します。また、その程度によっては、民法709条が定める不法行為に該当し、慰謝料請求の対象となる可能性もあります。ただモラハラの特徴として、加害者に自覚がないことが多いので、話しがもつれて調停や訴訟になるなど、長期化の危険が高いのです。
モラハラする人は、傍らから見れば身勝手としか思えないような独自の理論で、自分の言動を正当化することが多く、相手を傷つけている自覚がないので、責任も感じていません。 肉体的な暴力なら傷が残るので被害を立証しやすいですが、精神的暴力なので目に見える傷がないという特徴もあります。さらに、メールやLINEなど、後で検証可能な場面では、丁寧な言葉を使って、証拠を残さない狡猾なケースも多いです。
被害を立証できるかどうかは、加害者の言動を録音・録画できれば極めて重要な証拠になりますし、それが難しければ、やり取りをメモして具体的に残しておくことが重要です。またモラハラによる「うつ」や不眠などの精神的な症状があれば診察を受けて診断書を作成してもらうという手がありますし、専門の相談機関を利用すれば、その相談記録が証拠になり得ます。モラハラは客観的な傷がない分、証拠固めが大切となります。
しかし、そこまでやっても、調停や訴訟の場で、ただの夫婦喧嘩とみられる可能性があります。第三者はモラハラをイメージするのが難しいのが現実なので、モラハラ離婚を実現させるには、ただの痴話喧嘩とは違うこと、精神的な暴力を受けていることを、調停委員などに上手にアピールしていくテクニックも必要になってきます。例えば、「夫が私をバカ呼ばわりするんです」と言っても、抽象的すぎて、
調停委員など第三者に対するインパクトは弱いです。でも、「子供がテストで0点をとってきたことがありました。その時、夫は『子供が高卒のお前に似てしまったせいで、こんなに出来が悪くなったんだ』と発言しました」と具体的に言えば、第三者もイメージしやすいのです。どんな時に、どれくらいの頻度で、どういった発言があったのか、などを明確にするのが大切なのです。話を「盛る」のではなく、伝え方を工夫するということです。 相手のやり方が狡猾であるなら、こちらも臆することなく、専門家の助けを借りてきちんと対応していかないと、ベストな形での離婚を実現させるのは難しいかもしれません。
モラハラなどに悩み、離婚しようか迷っている方は、一人で悩まず、まずはホームワンにご相談ください。
◇日時
毎週火曜 11:31~
◇放送局
文化放送
◇番組名
『くにまる食堂』
◇コーナー名
「日替わりランチ ホームワン法律相談室」
◇680回テーマ
「モラハラ夫(妻)と離婚するには」
◇出演
番組パーソナリティ 野村邦丸さん
法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士
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