文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/639回テーマ 「無職者に対する婚姻費用の請求」編 2021年07月13日

弁護士の中原です。

今週の『くにまるジャパン極』では、「夫婦が別居した時、生活費をどう確保するか」というお話をしました。

離婚に向け動いていても離婚が成立するまでは、法律上は夫婦であることに変わりはないので、お互いに生活を助け合う義務は続いています。そのため、別居中であっても、相手にきちんと生活費を払ってもらう権利はあります。ただ支払う側の気持ちとして、別居した相手にビタ一文払いたくないという人もいて、「収入がないから払えない」と言ってきたりすることがあります。

このようなことを防ぐために、婚姻費用分担額といいますが、夫婦が現に得ている収入に基づき、家庭裁判所が「婚姻費用算定表」という表を参照して支払う額を決めます。相手の収入がゼロなら、算定表の一番下のマス目が基準となり、こちらの収入に関係なく、受け取れる婚姻費用もゼロになります。

ただ、注意しなければいけないのは、収入がゼロの理由です。病気などの理由で働けないのか、それとも働こうと思えば働けるのに、何もしないのか、いろんなケースが考えられるのです。もし、後者の場合は「潜在的稼働能力」があるとして、一定の収入があると推計し、分担額が算定されることもあります。逆に、そういうことなら収入ゼロもやむを得ない、仕方ない、という事情があると評価されれば、収入の推定は行われません。

家庭裁判所が判断するにあたっては、本人の年齢、健康状態、これまでどんな仕事をしてきたか、またどうして無職になったのか。それから本人が育てている子どもの年齢、人数、健康状態といったところがポイントです。本人が精神疾患を患って働けない、また乳幼児の世話に追われどうしても働けない…等の場合は、潜在的稼働能力はないとされ、実収入を基に婚姻費用が算定されることになると思います。

もし、働く能力があるのに働いていない、と判断された場合、これも本人の年齢、性別、健康状態、過去の職歴や収入などを総合的に検討して判断されますが、賃金構造基本統計調査、いわゆる「賃金センサス」の結果を基に推計したりします。

また、最近は熟年離婚も増えてきていますが、相手が高齢で、収入は年金だけしかない場合は、通常は潜在的稼働能力なしと判断されます。一定の収入があると推計はしませんが、年金も収入ですから、それを基礎として婚姻費用分担額を算定します。ただ年金受給者は、働くために被服費、交通費、交際費などの「職業費」はかからないので、婚姻費用算定表をそのまま、使うことはできません。年金収入を給与収入に換算してから、算定表に当てはめることになります。

離婚を前提に別居して、相手に生活費を請求する場合は、きちんと支払ってもらうためにも、経験豊富な専門家に最初から相談されることをお勧めします。ぜひ,ホームワンにご相談ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇639回テーマ
「無職者に対する婚姻費用の請求」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士

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