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文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/556回テーマ 「男性だってDV被害者になる時代」編 2019年12月09日
代表の中原です。
先週の『くにまるジャパン極』では、引き続き、離婚に関するお話をしてきました。
相談を受けていて思うのは、離婚を考えるきっかけとなる出来事は、以前とは事情が変わってきたという印象です。最近、意外と多いのが妻による夫へのDVです。DVといえば、力の強い者が弱い者に対して行うイメージの方が強いので、妻から夫へのDVは存在しないと思われてきましたし、社会問題として、夫から妻、また夫から子どもたちへのDVはずいぶんクローズアップされてきました。でも現実にはその逆もあるのです。基本的に男性と女性では体格差、力の差があるのは事実です。ですから女性によるDVは殴る、蹴る…というよりは、庖丁を持ち出す、熱湯をかける、固いものを投げつける…など、道具を用いるケースが多いです。そして、男性はそうした暴力に対して対抗せずガマンしてしまうことが多いので、だんだんそのDVがエスカレートしてしまう傾向が強いようです。
実際、こうしたケースでは、なんとか予防していくことが大事なんですが、男性の場合、 女性からDVを受けている事実を恥と考え、隠している方が圧倒的に多いです。そもそも家庭内の密室で行われるのがDVなので、表にはなかなか出てきません。警察沙汰になったり、本人が実家などに逃げ込んだりして、初めて事実が外に出るというケースがほとんどなんです。
もし妻からのDVに悩んでいる場合は、とにかく相談することです。もちろん友人や親族でもいいのですが、弁護士に相談されるのをお勧めします。ご相談戴いた場合、弁護士は、 「別居だけで足りるのか」、より深刻な「DV保護法による接近禁止命令(いわゆる保護命令)が必要か」を判断します。後者の場合、裁判所への申立前に、警察に相談している事実が必要ですが、男性の場合はこれが難しい。どうすればいいか、弁護士は手続きも熟知しているので、このあたりもまとめてアドバイスすることができます。
実際、弁護士が入る事で落ち着くケースも多いのですが、逆ギレされることもあります。 そのような時、一時的に避難できる場所があればいいのですが、男性の場合、女性のように利用できるシェルターがありません。そもそも命の危険を感じて、衝動的に逃げ出す事が多いので、行くあてもない、という方が多いです。これからの季節、いきなり外に出るのも大変ですから、まず弁護士に相談して、逃げ場所を確保するなど、準備しておく事をお勧めします。
また、勤務先に押しかけてくる可能性も考えられますので、職場に説明して、理解を得ておかなければなりません。妻が来ても「外出中です」と口裏を合わせてもらったり、可能であれば転勤を願い出ることも考えた方がいいです。DVはエスカレートする傾向が非常に強いので、取り返しがつかなくなる前に、とにかく弁護士にご相談戴きたいです。命を守るために逃げるのは恥ずかしいことではありません。
【出演情報】
◇日時
毎週火曜 9:45~
◇放送局
文化放送(関東エリア)
◇番組名
『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇556回テーマ
「男性だってDV被害者になる時代」
◇出演
番組パーソナリティ 野村邦丸さん
番組火曜日パートナー 西川文野さん
法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士
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