文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/530回テーマ 「子の引渡し間接強制に関する最高裁判例」編 2019年06月05日

弁護士の中原です。

昨日の『くにまるジャパン極』では、先月の最高裁判例を踏まえて、「子の引渡し」についてお話してきました。夫との関係に悩み、同居が耐えきれなくなって、一人で家を飛び出してしまった女性の方はたくさんいらっしゃいます。この場合、気になるのは残してきたお子さんのことではないでしょうか。
ただ、夫がすんなりと子の引き渡しに応じない場合もあるでしょう。
そういう場合、家庭裁判所に子の引き渡しの審判を申し立てることになります。

裁判では、次のような状況であれば、子供の引渡し請求が認められることが多いです。
 1.家を出た理由が、夫のDVなど合理的なものである。
 2.これまで妻が主として子どもの世話をしてきている。
 3.今後も妻が子どもを適切に育てていける見通しがある。

裁判所から子の引渡しが命じられれば、妻は夫から子を引き渡してもらうお墨付きがもらえたことになりますが、それでも夫が自分から子を引き渡さないというケースは多いです。その場合は「強制執行」という手続きを取る必要が出てきます。
これには2種類あって、まず裁判所の執行官が現地に出かけ、直接子どもを引き取る「直接強制」というやり方。もう一つは、先々週もお話しした「引き渡さなければ制裁金を払え」と裁判所が命令し間接的に強制する「間接強制」というものです。

実は最近この件に関して、直接強制で子の引渡しが実現せず、間接強制を訴えたら、最高裁が認めなかった、という事件がありました。
簡単に経緯をお話しすると、まず、直接強制で、執行官が子どもを迎えに夫の家に行ったとき、当時9歳の男の子は、妻への引き渡しを拒絶して呼吸困難に陥りそうになり、このままでは心身に重大な悪影響をおよぼすおそれがあるとして「執行不能」となりました。次に妻は、裁判所に「人身保護請求」を訴えましたが、9歳半になっていたお子さんが、妻への引き渡しを拒絶する意思をはっきりと示したため、自らの自由意思に基づいて夫のもとにいる、と判断されて、請求は棄却されました。そうした経過をふまえて、最高裁は、間接強制はこの状況では認められない、としたわけです。子の引渡しは、子の心や体に有害な影響を及ぼさないよう、配慮しながら実現しなければなりません。この事件では、夫が子を妻に引渡すために具体的にどのような方法をとっても、子の心や体に有害な影響を及ぼしてしまうことになる、と裁判所は判断したわけです。

ただ、これは子供が引き渡されることを望んでいないときには間接強制はできないということではありません。間接強制ができないのは、子の引渡しのためにどのような方法を取ったとしても、それまでの経緯から、子の心や体に有害な影響を及ぼすことが明らかな場合、に限られると思います。
このような場合、妻の側ができることは、以前お話した、お子さんとの「面会交流」を求めて、顔を合わせ、子供の心を解きほぐし、いろいろ話をしていく中で、お互いに理解を深めていくところから始めることになります。

子の引渡しを請求できるか、親権や監護権を得られるかどうかなどについて、より具体的に助言・判断が必要な場合には、弁護士にご相談いただくのが安心だと思います。ホームワンにご相談ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇530回テーマ
 「子の引渡し間接強制に関する最高裁判例」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

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