文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/501回テーマ 「離婚した場合の財産分与」編 2018年11月06日

代表の中原です。

本日の『くにまるジャパン 極』では、「離婚した場合の財産分与」というテーマでお話ししてきました。

離婚する時は、たとえ妻が現金収入のない専業主婦だとしても、お金やそのほかの財産を、原則として全て2分の1ずつに分けることになります。これは、たとえ現金収入のない主婦でも、夫の生活を支えてきたことで財産が築かれた、という考えに基づいています。

ただし、いま住んでいる家が、一方の相続によって取得した財産のような場合は「特有財産」といって、分与の対象外になります。結婚前から持っていた貯金なども、基本的には相続した家と同じ扱いです。
ただ、たとえば結婚前の貯金が200万、それが結婚後100万に減り、離婚する時は400万まで増えていたという場合は、特有財産として認められるのは100万になる可能性が高いです。

また、たとえば夫が小遣い制で、家計の管理は妻に任せていたという場合、預金がどこにいくらあるのかわからない、というケースがよくあります。その場合、金額はすぐわかりませんから、ご依頼を受けた後で、相手に財産開示を求めることになります。

もちろん、相手方がきちんと開示してくれるかどうかはわからないので、弁護士照会といって、弁護士会を通じて財産調査をしたり、裁判所に申立てをして調べて貰う調査嘱託という方法もあります。
ただ、いずれの場合も必ずしも成功するとは限らないので、離婚を考えたら、相手に切り出す前に、相手方の財産を調べておくのがベストです。別居前にご相談を受けた場合は、そうアドバイスしています。

2つに割れない財産、たとえば住宅などの分け方は、すっきりするのは売却して代金を2分の1にする方法です。しかし、どちらか一方が住み続け、出て行くほうが連帯保証人になっているといった場合は、ちょっとややこしいことになります。

離婚したら自動的に連帯保証人を外れればいいですが、そうはいきません。家に残る方の収入やローン残高にもよりますが、事前に金融機関との相談が必要です。一般的には、残る方の家族、両親に保証人を依頼する例が多いですが、難しければ、借り換えや保証会社の利用も検討することになります。

将来もらえるはずの退職金は、原則としては財産分与の対象になります。もちろん、もらえない可能性もありますが、もし相手方に退職金制度があれば、離婚の段階で自主退職した場合の金額を調べて、請求することになります。

家財道具、自動車、宝石類なども財産分与の対象になりますが、これらは半分に割るわけにはいきませんから、話し合いでどちらがもらうか決めるしかありません。よくあるのは、宝石類は妻、自動車は夫といった分け方です。

離婚は、感情の問題はもちろんですが、財産分与や養育費の問題等、法律的な問題も色々と絡んできます。離婚のことが頭に浮かんだら、一度、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇501回テーマ
 「離婚した場合の財産分与」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

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