文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/496回テーマ 「離婚が認められる理由」編 2018年10月02日

代表の中原です。

2017年のデータによれば、婚姻件数およそ60万組に対して、離婚件数がおよそ21万組と、おおむね3組に1組が離婚する時代になりました。そこで、本日の『くにまるジャパン 極』では、「離婚が認められる理由」というテーマでお話ししてきました。

話し合いで離婚の合意ができるなら、どんな離婚理由であろうと自由なのですが、離婚訴訟となると、法律で決まっている離婚理由が必要になります。
私が過去に受けた相談でも、「性格の不一致」「価値観の違い」といった話が多いのですが、残念ながら法律上は、離婚の理由としては認められません。

法律に書かれている離婚原因は、全部で5種類あります。1つ目は浮気などの「不貞行為」。2つ目は、「悪意の遺棄」というものです。

「悪意の遺棄」は聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言えば夫婦の一方が結婚生活に協力しないということです。ただし、風呂掃除をしないとか、食器を片付けないとか、そういったことだけでは認められません。
専業主婦の妻に夫が生活費を渡さないとか、給料を全部、ギャンブルに注ぎ込んでしまうとかいった事態を指します。

3つ目は「3年以上の生死不明」。4つ目は「強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合」です。最近は高齢化が進んで、認知症の方も多くなっていますが、認知症は「強度の精神病」とは認められません。

ただし、認知症で離婚が認められないとは限りません。過去の裁判では、アルツハイマー型認知症の妻との離婚を求めた男性に、認知症も理由の一つとして、夫婦の協力義務が果たせなくなったことなどを総合的に判断し、「婚姻を継続し難い重大な事由」として認めた例があります。

この「婚姻を継続し難い重大な事由」が法律で定められた、5つ目の離婚原因です。この離婚原因は、内容が具体的に書いてあるわけではないので、それぞれのケースごとに裁判所が判断していくことになります。

たとえば、嫁姑問題の場合、単に妻と姑との仲が険悪なだけでは、離婚原因として認められません。ただし、妻が姑のヒドさを夫にいくら訴えても取り合ってもらえず、その積み重ねで夫婦の円満な関係が失われ、ひいては完全に破綻しているとなれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」として認められる可能性があります。

また、最近多いのが、定年退職した夫が、まったく趣味もなく、日がな一日家でゴロゴロしているのがストレスで、妻が離婚したいと申し出るケースです。
過去の裁判では離婚は認められていませんが、個々の事情によっては、婚姻生活の破綻が明らかであれば、認められる可能性もあります。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇496回テーマ
 「離婚が認められる理由」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

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