養育費とは

子供を育てる者が、もう一方の親に対して請求することになります。

養育費をめぐって発生する問題の具体的な事例

ご質問

養育費はどうやって決まるのですか。

弁護士からの回答

簡易計算表を使って計算します。
現在の調停・裁判実務では、「算定基準表方式」が主流となっています。これは、子供の数と年齢別に、自分(請求する側)の収入を横軸、相手(請求される側)の収入を縦軸とした算定表をもとに、養育費を算出するものです。東京家庭裁判所のホームページに算定表の実物と、その使い方が掲載されています。

・東京家庭裁判所 養育費算定表の使い方
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html
・東京家庭裁判所 養育費算定表
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/30212001.pdf

ご質問

子供の養育費は、何歳まで支払ってもらえますか。

現在、離婚の話し合いをしています。子供を大学に行かせたいので、大学を卒業する22歳まで養育費と学費を払ってほしいのですが、夫は「二十歳を過ぎたらあとは自分で稼ぐのが当然。二十歳になってからの面倒は見ない。」と言っています。養育費は何歳まで支払ってもらえますか。

弁護士からの回答

満20歳がひとつの基準です。
調停や和解では、「満18歳に達するまで」「大学卒業まで」と定められる場合もあり、また、調停委員・裁判官によっても若干の見解の違いはありますが、民法上の成人は満20歳ですので、これが一つの基準となります。
民法の扶養の規定(877条以下)によると、未成年の子については自分の生活費を削っても扶養する義務はありますが、成人した子については、自分に経済的余裕があれば扶養する程度の義務しかありません。ただ、実際には夫婦間で話し合って、学費についても定めをするのが通常です。

ご質問

前妻との間の子供に養育費を払っていますが、生活がとても苦しいです。減額してもらえますか?

私には前妻との間に子供がいて、毎月養育費として10万円支払っています。これまではなんとか払ってきたのですが、不景気で収入が減ったうえに、再婚した妻との間に2人目の子供が生まれ、生活が本当に苦しいです。聞いたところでは、前妻は職場に復帰して安定的な収入を得ているようです。養育費の減額をしてもらえますか?

弁護士からの回答

事情の変更を考慮して、養育費の減額が認められることがあります。
家庭裁判所に養育費の減額請求を申し立てて、調停や審判で養育費の減額をしてもらう方法があります。
この場合、養育費を支払う側の収入が著しく減少した、新しい家庭の生活費を確保しなければならない、長期入院したといった事情がある場合、それら事情の変更を考慮して、養育費の減額が認められる可能性があります。

ご質問

裕福な実家にいる元妻。養育費を払う必要はありますか。

元妻は離婚後、子供とともに実家に戻っています。子供が小さいので仕事にもついていませんが、実家が裕福なため両親の援助で生活できています。私は月15万円のアルバイトで、生活が苦しいです。養育費を払う必要はないような気がするのですが?

弁護士からの回答

父としての扶養義務は、祖父母よりも重いのです。
親の未成年子への扶養義務、夫婦間の扶養義務は、他の親族間の扶養義務が「二杯の飯を食べる余裕があれば、一杯を相手に与える」程度のものであるのと違 い、「一杯の飯しかなくても、その半分を分け与える」ほどのものです。父としての扶養義務は、祖父母としての扶養義務より責任が重く、応分の負担が求められます。ご相談の状況でも、1万円程度は援助を求められるでしょう。

ご質問

夫が養育費を支払いません。どうしたらいいですか。

弁護士からの回答

履行勧告・命令を申し立てることができます。
調停離婚・審判離婚・裁判離婚の場合には、家庭裁判所に履行勧告・命令を申し立てることができます。また、強制執行により、元夫の預金や給料を差し押さえることができます(養育費については、6ヶ月先の分も予め強制執行することができるなど、民事執行法上の特則が定められています)。
また、間接強制という手続きを用いることができます。これは、「養育費を支払わなければ1日○○円支払え」という形式で養育費を支払わない義務者に心理的圧迫を加え、支払を促すものです。
ただ、これらは調停調書や確定判決書等の債務名義がある場合に使える方法であって、協議離婚をして公正証書も作成していない場合には、強制執行をすることはできません。

ご質問

離婚したい一心で養育費を放棄しましたが、後から進学費用を請求できますか。

元夫が暴力をふるう人間だったので、離婚の際、とにかく私たちの前に姿を見せてほしくなく、養育費は放棄します、と言って、離婚だけしてもらいました。しかし、10年経って子供が高校に入学する年齢になり、私の経済力だけでは子供を高校にやれません。元夫に事情を話して、援助を求めたのですが、「お前は離婚のとき養育費を放棄しただろう」と言って応じてもらえません。どうしたらよいでしょう。

弁護士からの回答

養育費は子供のためのもの。調停を申し立てるとよいでしょう。
養育費は、子供のためのものです。親のためのものではありませんし、親が放棄できるものでもありません。また、離婚後何年経っていても子供が未成年の間は養育費を請求できます。
子供のため養育費を請求し、相手から拒絶されたら、養育費の支払いを求めて調停を申し立てましょう。

ご質問

一度決めた養育費を変更することはできますか。

弁護士からの回答

双方の話し合いで合意が得られれば可能です。
養育費は双方の収入、家族状況(離婚後子を出生する等)によって決められるものですので、これらに変更があった場合は、養育費も変更できます。
しかし、相手も現在の養育費を前提に家計を営んでいますので、一度決まった養育費を数ヶ月後に変更するということはなかなか認められません。

ご質問

離婚後に夫の収入がアップ。さかのぼって養育費を請求できますか。

離婚したときは、夫より私の収入が多かったため、子供を一人引き取ったものの、養育費の取り決めをしませんでした。前夫は、当時は司法試験受験中でアルバイト収入しかありませんでしたが、今は合格して弁護士をやっていて、年収も私の2倍あります。私がそれを知ったのが今年になってからですが、ここ3年ほどは私の2、3倍の収入があったと聞いています。私はその間生活が苦しく、消費者金融から借金までしています。前夫に過去3年間の養育費を請求したいのですが。

弁護士からの回答

過去にさかのぼっての請求はできません。
養育費は具体的に請求しないと、権利が確定せず、過去に遡っての請求はできません。

ご質問

離婚した元夫が破産。養育費や慰謝料の支払いはどうなりますか。

離婚した元夫が破産しました。養育費や慰謝料の支払いをまだ受けていませんが、請求できるでしょうか。

弁護士からの回答

破産をしても、養育費は免責されません。
破産申立の際、免責の申立をするのが普通で、破産者の殆どは免責決定を得て、借金をゼロにすることができます。ただ例外があり、養育費、婚姻費用や税金は免責されません。

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